ジョゼフ・コーネルとWebサイトとの、錬金術的小宇宙関係

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Web Site | Posted on 02-03-2010

人形・外国切手・球・ガラス壜・バレリーナ・肖像・ぜんまい、、、。
ニューヨークの古本屋/古道具屋を漁って集めた一見無価値なガラクタを木箱へ収めて、小さな宇宙を創る。
ジョゼフ・コーネルは、「箱という限定された空間」に、彼の「厳格な秩序に基づく世界を再構築」した、自分がとても好きな芸術家です。

Joseph Cornell02

Joseph Cornell04

モノだけをぱっと見てしまうと、誰にでも真似出来そうなものに見えてしまいます。
が、厳格なクリスチャンであった彼が持つ、神秘主義的な、幾何学的世界の広がり。
誰も真似などできようのない精神性がもたらす雰囲気が漂っています。
錬金術の結晶、と言っても良いかもしれません。


この箱の中へ世界を構築していくさまは、ちょうどWebブラウザで展開されるWebサイトでも、例えば以下のような試みの作品を見ていると、「箱という空間への限定」は、むしろ限りなく世界を広げる手段でもあるとも、最近は思えてきます。

Endless Nightmare
Endless Nightmare

skittles
skittles

WEBWEB
WEBWEB


結論は特にありませんが、「精神性」と「秩序」。
この2つが、箱の中の世界で小宇宙を感じさせる/惹かれるポイントではないか、と感じています。

「のびのびBOY」の背景にある、愛情やルールへの考え方

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Web Site, iPhone | Posted on 18-02-2010

バンダイナムコゲームスから先日発売された、iPhoneアプリ『のびのびBOY』。
noby-noby-boy1

一言で説明するのがとても難しいアプリなのですが、
そのかわいい世界観や、「BOY」をのびのびさせるという一見意味不明な遊び方、
また、遊びそのものをあらかじめルールとして与えられるのではなく、自分たちで探索していく感
などがとても共感でき、楽しくて大好きなアプリです。

今回はこのアプリそのものの紹介というより、
なぜこの一見意味不明なアプリが、自分を惹き付けるんだろう?ということについて。

まず面白かったのが、発売前にキャラクターたちによる「アプリの製品会議」と題した映像群を、
全12回にもわたって事前公開していった点でした。

のびのびBOYの製品会議 その1/12【NOBY NOBY BOY】


のびのびBOYの製品会議 その12/12【NOBY NOBY BOY】


映像そのものもアナログ感満載でとてもかわいく、楽しくなってくるものなのですが、
この映像を見ながら、
「のびのびBOY」を手掛ける高橋慶太プロデューサー自らが撮影している、という点含めて
はっとするものがとてもありました。
ゲームに対する手間や愛情が感じられるこういった温度感は、今自分に最も欠けている、
または世の中としても欠けていることなのではないだろうか、と。



また、「のびのびBOY」のWebサイトも、そのゆるさ加減が大変秀逸なものとなっています。

noby-noby-boy


アプリそのものもそうですし、これら映像やサイトをとってみてもそうなのですが、
・程よいゆるさ、一見訳の分からなさを持った世界観
・どう遊べば良いんだろう?というある種の突き放し感
・自分たちが作り上げたゲームそのものへの愛着さ

こういったアナログな感覚へ、むしろとても「今」な印象を持ちました。

この自分の持った印象に、バンダイナムコゲームスの高橋慶太氏のインタビューで
分かりやすくも、とても共感の出来る回答を提示されていましたので、少々ご紹介します。

ここ4〜5年で、世界はどんどん窮屈になって行ってると思います。
ゲームの世界ではなく、現実世界のことです。
うまく説明できないんですけど、いま世界を覆っている不況とは関係なく、違う点で窮屈になっていると思います。
完全な思い込みかも知れないけど、何か得体の知れないものに縛られているというか、システムに捕らわれすぎているというか、そういう感覚が僕にはあります。

”のびのび”っていう言葉は日本でふつうに使われる言葉なんですけど、”気持ちや気分が開放的になったり、くつろいだりする様”という意味があります。
大げさ過ぎる話ですけど、『のびのびBOY』はこの窮屈な世界に対しての自分なりの抵抗であり、それがこのゲームを作った理由だったりします。

僕たちがビデオゲームを愛しているのなら、もっともっと多く考えて、もっともっと多く感じ、もっともっと多く観察し、もっともっと楽しみながらゲームを作っていかなきゃいけないんじゃないかって思います。
ビデオゲームには完成形なんてなくて、ずっとずっと発展途上なものなのに、僕たちが「ゲームとはこういうものだ」という思い込みで作ってるんじゃないんでしょうか。

ゲームを作るルールに甘えているんじゃないかって。
過去や経験に甘えているんじゃないかって。


iPhone版『のびのびBOY』!? バンダイナムコゲームス、高橋慶太氏によるセッション – ファミ通.com


ゆるーい世界を楽しみながらも、それを通じて多くの事が感じられる/考えられるアプリなのではないかと思いますし、そういった作品が実は求められているからこそ、自分も感じるものがあったのではないか?という気がしています。


iPhoneアプリ『のびのびBOY』(リンククリックでiTunesが立ち上がります)

無印良品のTVCMへの向き合い方

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Marketing, TVCM, Web Site | Posted on 06-01-2010

2010年1月1日号の「宣伝会議」のトップインタビュー記事が
面白かったので、改めてブログでも。

無印良品が、2009年下半期からテレビCM放映を開始。
これまで積極的にマス広告を展開していなかった無印良品が、なぜ今テレビCMを打つのか。


というお題に対し、まずこういった根底の考え方が展開されています。



情報の洪水の中に暮らす生活者は、いかに無駄な情報に触れずに済むかを考えている。
購買行動についても、情報を吟味してから購入を決定するのではなく、
以前から知っているモノ、皆が買っているモノに一極集中する傾向がある。

自ら情報を発信しなければ、コアなお客さま以外にはどんどん忘れられてしまうのではないか。そんな危機感を持っていた。




特に、
以前から知っているモノ、皆が買っているモノへの「一極集中」
というワードに、ピンとくるものを感じました。

嗜好やスタイルでの多様化は、たしかに加速していると思います。
でも、というよりもだからこそ「皆」というキーワードと
その深層にある「自分を納得付ける理由と安心感」
「一極集中」を生むファクターであると思います。

このTVCMを打つ理由の考えがあったうえで
「では、TVCMをどう活用していくか?」の無印良品の考えが展開されるのですが、
それがさらに面白いです。

大きく分けると、2つの考え方で目論まれており、

1. 自分たちの精神を伝える手段のためのTVCM

「これでいいや」でなく「これでいい」という、「冷静な消費」の無印思想。
情報もモノも溢れる今だからこそ、この無印良品の考え方に共感してくれる人は増えるだろう。
だからその精神を伝えるために、あえてTVCMを使っていく、という位置づけです。

2. ワンソースマルチユース化のためのTVCM

流して終わりのTVCMを作るのではなく、
同一のコンテンツをパンフレットやWeb、交通広告、店舗内のPOPでも活用できることを前提とする。
それだけでなく、TVCMそのもののフォーマットも、商品を変える/増やす、に対応しやすいものにする。
という、徹底的なモジュール化+活用化の位置づけ。

メディアに対する、冷静な目線感じる考え方だと思います。

最終的なアウトプットを見た後で、その理由を考えたときに、
久しぶりにとても納得感を覚えました。

無印良品「その次があるバスタオル」


無印良品「足なり直角靴下」


MUJI rhythm
MUJI rhythm

「時計」=突っ込み系クリエイティブの王道 (”scroll-clock”, “廃墟時計”)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Web Site | Posted on 29-12-2009

「時計」というオブジェクトは、その極限なまでのシンプルなルールと形態が故に、
「突っ込みやすい」という特性を持っていると思います。
言葉を変えれば、時計やカレンダーは、突っ込み系クリエイティブ素材の
王道とも言えるのではないでしょうか。

さまざまな作品がこれまでにも生み出されてきたと思いますが、
今日は2つほど面白いと思った時計のクリエイティブを。

scroll-clock
Scroll_Clock

これは、「ブラウザのスクロールバー」を表現として使った時計。
スクロールバーが一秒ごとに切り替わる表現が、すごく気持ちいいです。

Webというメディアはブラウザ環境で、表現が変化する。
そのある種マイナスな特徴を、むしろプラスに転じた発想に、面白さがあると思います。


Webブラウザというメディアが持つ負の特徴を、ここまで確信犯として活用された作品は、
はじめて見るような気がします。
素晴らしいクリエイティブアイデアです。

そしてもう一つが、「廃墟時計」という素敵な名前のプロジェクト。



「廃墟に打ち捨てられた時計」の写真を、時刻にあわせてスライドショーして、ひとつの「時計」にする、というものです。
20個の止まった時計を集めてスライドショーにすれば、ひとつの「現役の時計」として蘇ることができる、というわけです。






動かなくったって、集めれば、時計として機能する。
すごくポジティブなアイデアだし、コンセプトそのものに力があると思います。

両者に言えることと思いますが、こういう負の要素を、プラスに転じる発想こそ、
アイデアの源泉と言えるのではないでしょうか。


とても刺激的なプロジェクトです。

たった500ドルのメガネ・プロモーション施策 (Opticana)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Marketing, Web Site | Posted on 28-12-2009

イスラエルから、非常にユニークなオンラインプロモーションを。



自分も目が悪いので、PCを前にする時にはメガネを常に掛けているのですが、
メガネを掛けない場合、タイプミスをすることが多くあるかと思います。

その「目が悪い人の場合、タイプミスをしてしまうこと」の状況をヒントに、
イスラエル内で人気のサイトをピックアップし、打ち間違えそうなドメインを購入。

そして、そのページ内で正しいアドレスを案内すると同時に、自社のメガネブランドの
割引クーポン券のダウンロードへ誘導するという、プロモーションを取っているのです。


これは素晴らしい着眼点。
思いも寄らぬところで、タイミングよく情報に出逢う。
そして、すっとその場で誘導をかける。
とてもクレバーな行動設計だと思います。

そしてなにより驚きなのは、このプロモーションで要した費用はたった500ドル(5万円程度)。
まさにインサイトに基づいた、知恵の施策。
こういった施策は非常に大好きです。

Via : mastercom

壁紙というジャンルへの新しい価値創造 (DIESEL “Rockin’ Dots”)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Web Site | Posted on 15-12-2009

ディーゼルジャパンの2010年春夏プレビューコレクションサイトの
Webプロモーションの在り方がとても面白いです。

DIESEL “Rockin’ Dots”
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「Rockin’ Dots」という、コレクションテーマに基づき、
WEBカム上で自分の顔を撮影すると、”ロック”と”ドット”をモチーフに、自分の顔が加工され
壁紙としてダウンロードできるインタラクティブな仕組みを提供しています。

「壁紙」という一見枯れたプロモーションツールを、
インタラクティブな仕掛けによって、自分ゴトへと深化させていく。
こういった知恵の使い方、とても素敵です。

コレクションテーマにきちんと沿っている点も、施策としてきれい。

こういう頭の使い方、もっとしていかないといけないな、と反省の意味も含めて、ポスト。

数字画像投稿型の時計サイト (FABRICA)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Social Media, Web Site | Posted on 13-12-2009

数字の形をした画像がランダムに表示され、時計を表す「だけ」のサイトです。

FABRICA
FABRICA

「数字の形に見えるもの」をただ時計で表す、というゆるいお題かつ、
それ「だけ」のサイトだからこそ、ユニークな画像が沢山溢れており、
見る側のインスピレーションが刺激されるものがあります。

あとは、この数字画像がユーザから投稿できるようになっている点。
ここにも、このサイトをさらに面白くしている理由があると思います。

ユーザ投稿という仕組みは、それこそ数えきれない程あるでしょうが、
「ユーザの持つアイデアが吸収できる場」としてのサイトは、数少ないのではないかと思います。
このサイトを見ていると、なんというかユーザのもつクリエイティビティへの信頼のようなもの、
あるいは「よい感じなゆるさ」のようなものが感じられてきます。

「ネットに放り込む感じ」と言えばよいのでしょうか。
「こんなの作ってみたけど、みんなどう?」というようなトーン。

「どんなものを期待し、投稿してもらうか?」
「そのためにどんな空気をつくるか?」


ユーザが関与してもらうことで、より面白くするにはどうあるべきか?
を考えるうえで、とても奥深いヒントが潜んだサイトだと思います。
ひどくシンプルなサイトだけに。

「ぼーと見れる」がキーワード (”インテル® テクノロジーを搭載したモバイル・サブノート PC”)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Web Site | Posted on 24-11-2009

インテル® テクノロジーを搭載したモバイル・サブノート PC

intel

物語は、映像と共にリニアに進み、
ただ、ぼーと、心地よく、見てるだけで、完結する。
最後に、カンタンに導く動線をそっと置くだけ。
新しいランディングページのコミュニケーションの在り方だと思います。

一度に多くを説明しない。
言葉を多く使わない。
複雑にしない。
ぼーと、なんとなく、楽しめる。


過剰なWEB広告表現時代における、大切にすべきキーワードの一つだろうと思います。

LOFTらしさ溢れる、LOFTサイトのリニューアル

Posted by kUtsunomiya | Posted in Web Site | Posted on 13-11-2009

LOFTのサイトが、素晴らしく素敵にリニューアルされました。

LOFT
LOFT

LOFT2

「わくわくする感じ」「何かに巡り会えそうな感じ」
LOFTの店に訪れるときに感じて欲しいと思うだろう、ブランドとしての想い。

そんなLOFTブランドとして、訪れたユーザに感じて欲しいこと、が
きちんと、そして素敵な形となって、表現されていると思います。

予定調和なWEBサイトの在り方でない、LOFTらしいチャレンジを感じると同時に、
そのエッセンスが表現として落とされているところに、なにより素晴らしさを感じます。

こういったチャレンジ精神は、
送り手のLOFTに対しても、
作り手に対しても、
とても元気がもらえると同時に、共感を覚えます。

最近、WEBサイトを観て何かを感じることが少なくなってしまったと思っていた中、
素晴らしいサイトに今日は出逢ったと感じました。

ビジュアル体験でしか、表現できないこと。伝えきれないこと。
デザインが持つべき方向について、真っ向から回答を出されたサイトだと思います。

777」さん、「602」さん、による素晴らしきプロジェクトです。

或るクラウドソーシングのかたち (夢の病院をつくろうPROJECT)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Social Media, Web Site | Posted on 30-10-2009

夢の病院をつくろうPROJECT
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医療の先進国である日本で、まだひとつもない、小児がんの専門病院。
それを、まずひとつ、つくりたい。
つくるなら、中途半端なものではなく、夢の詰まった病院にしたい。




その目的のために、このプロジェクトが取った手段が、「こんな病院があったら」という
「夢の病院アイテムのアイデアを募る&そのアイデアを買ってもらう」
参加と寄付のしくみです。

たとえば、こんなアイテムが寄せられ、購入されています。
yumenobyouin2

「こうあったらいい」という夢のアイデアから入る事とは、ゴールからスタートするということ。
一見地味に見えるかもしれませんが、目的へ近づくための最短距離のアプローチであるとも言えます。

後は、それがいかに「見える化」できるか?
達成感や実現していく感が打ち出せるか?
そこが今後の課題であり、成功要因であるかと思いますが、
「まず夢から人を巻き込む」という、このアプローチにとても共感しました。

真ん中にあるコンセプトがぶれていない、という点。
親和性があると思われるソーシャルメディアとのコミュニケーション連携などの話も
それは「手段」として、あくまでその後に来ることなので、
とても地に足がついている考え方だと思います。

だからこそ、成長していくポテンシャルは持っているように感じます。
あくまで草の根な路線として。

多くのクラウドソーシングプロジェクトに見られるニュース性はないかもしれませんが、
逆にアイデアが浮き彫りになっている分、その本質に共感を覚えます。

地道に経過を見続けたいと思うプロジェクトです。