サウスウエスト航空の「ユーモア」で「関心」をつかむ機内アナウンス

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Marketing, Strategy | Posted on 09-03-2010

飛行中の安全に関する機内アナウンス放送は、
・まず、きちんと聞かれる事が少ない状況(乗客にとって)
・でも、聞いてもらわねばならない状況(航空会社にとって)
と言えるかと思います。

この「関心のない人に、関心をもってもらう難しい状況」の中で、
サウスウエスト航空が取る関心の掴み方に、コミュニケーションの原点を感じました。

有名な動画なのでご存知な方も多いかもしれませんが、まずはご覧ください。



・「大声」で届かせるわけでなく
・「恐怖」で聞かせるわけでもなく
・「権威や強制力」で聞かせるわけでもなく
「お決まりのパターン」を「ユーモアというクリエイティブ」を使って破る。
という、サプライズのプレゼントで相手に楽しんでもらって、聞いてもらおうという解決法。
拍手喝采となる機内アナウンスなんて、人生のうち一回もないかもしれません。
それくらいのインパクト/記憶を残すことを、アイデアの力でサウスウエストは実現しています。

「どれだけ、人を楽しい気持ちにしてあげられるか?」

それこそサービスが目指すことであり、コミュニケーションでの原点だと思います。
また、考えるべきことは、その一点のみなのではないか?とも改めて思います。

最近読んだ、小山薫堂氏の「人を喜ばせるということ」という本の中に、

企画とは何か?を一言で言え、と聞かれたら
「大切な人へのバースデープレゼントを考えること」
だと思います。

という凝縮された言葉があり、ハッとしたのですが、
このサウスウエスト航空の「相手」と「ユーモア」を大切にするカルチャー。
とても素敵だと思います。

「人」こそが「最大のメディア」になり「ブランド」を創る (ザッポスの奇跡)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Inspiration, Marketing, Strategy | Posted on 17-02-2010

ザッポスの奇跡

ようやく読みましたが、読みながらはっと目が覚める、そして熱くなってくる、素晴らしい本です。

ザッポスとは、靴を販売するアメリカのネット通販企業。
昨年アマゾンが買収した企業でもあるのですが、
「最高の顧客サービスで知られる企業になる」というビジョンを掲げたこの企業の取り組みについて、
丁寧に、分かりやすく紹介されています。

多くの人にオススメしたいと思う、あまりに感動した本なので、少々長いですが整理をしてみます。



・従来とは全く異なる、コールセンターへの考え方

ザッポスが、まず他社と違うところは、コールセンターへの考え方について。

一般的にコールセンターでは、1件あたりの処理時間が、生産性を測る指標として使われています。
なぜなら、サービスは通常「コスト」として捉えられる、ためです。

が、ザッポスは、そうは考えない。
顧客を満足させるためだったら、ひとつのコールに何時間費やそうとも、とがめられることはない。
実際、創業以来今までの最長記録は、4時間だそうです。


そしてさらに凄いのが、顧客の欲しい商品の在庫がなかった場合の対応の仕方。

そういった場合には、他社のサイトを必ず最低3つはチェックして
その靴を入手できるところがないかどうか調べるよう、「教育」されているというのです。


「今、この商品を売るんだ!」ということでなく、
「顧客を満足させるために、『普通』を超えるサービスを提供できたかどうか?」
それが、ザッポスにおいて最大の指標となっている
という点。

ここまでな顧客サービスの徹底さは、エンターテイメントやホスピタリティ業界以外では
まず見られないことなのではないでしょうか。

24時間稼動するコールセンターと物流センター。
そして、時間も販売機会も顧みない、徹底的な顧客サービス。
そのコストを考えれば、なんでここまでしようとするのだろう?
これらを無くせば、もっと利益が上げられるだろうに。
そう考えてもおかしくないと思います。

その理由と取り組みこそが、自分が最も感動した、ザッポスの奇跡です。



・「顧客サービスをないがしろにする余裕は、僕たちにはない」

ザッポスが他の「ネット通販会社」と大きく異なるのは、
「コールセンターの存在そのもの」を全面に押し出していることです。

アマゾンを始め、従来的な「ネット通販会社」は、コールセンターの電話番号を
わざと見つけにくくしているところが多くあると思います。
極力、直接の問い合わせは避け、コールセンターを稼働させるコストを削減していく考え方です。
が、ザッポスではどのページにも、ヘッダへフリーダイヤル番号が大きく表示されています。

それについて、こんな話が出てきます。

「ザッポスでは、心からお客さんと話したいと思っている。その表れです。」

「5分、10分というまとまった時間を、顧客が、何も邪魔されずに私たちの言うことに
神経を集中して耳を傾けてくれる、そんなチャンスが他にありますか?」

「普通の会社ならTV広告やマスメディア広告に大枚をはたくところを、
ザッポスではその道を選ばず、代わりに顧客サービスに投資しているのです」

「ザッポスの成長の糧は、リピート顧客であり、口コミなのです」

「まずサービスを中核とした企業文化を築いて、育むこと。そうすれば成果は後からついてきます」


これが、これまでの疑問の全ての回答となっているかと思います。

つまり、ザッポスでは、サービスを「コスト」として全く捉えてなく、
コールセンターの電話対応は、「またとないブランディング機会」と捉えているのです。


サービスとは「ブランドを築くため」「顧客ロイヤルティを築くため」の『投資』。

いい体験をした顧客は、必ずまた戻ってくる。
そして、友人や家族に、その体験について話す。
顧客の心を揺り動かすサービスは、あくまで「人と人」のつながりから生まれる、ということへの強い信念。


だから、
「顧客サービスをないがしろにする余裕は、僕たちにはない」
と話すのでしょう。



・「人」が「メディア」になる

なぜ、このような発想が生まれるのでしょうか?
それは、「人と人のつながり」こそがすべて、という考え方が頂点にあるからだと思います。

それが顕著に表れているのが、顧客だけでなく、社内の社員も顧客と見なす「社内顧客」の考え方。
これは、ディズニーやリッツ・カールトンでも同様な考え方がなされていますが、
カルチャーこそが、ブランドであり、社員一人一人が「ブランドの伝道者」という考え方です。

・「顧客」に対しては、「口コミ」の働きかけ
・「社員」に対しては、「ブランディング」の働きかけ


つまり、顧客であり、社員である「人」こそがメディアとなる、ということです。


顧客を驚嘆させるサービスの提供。
社員へのハピネスを追求する経営の徹底。
それらはいずれも多大なリソースを要するかもしれません。

しかし、広告によって「つくられた」ブランドと、実体とに、もしギャップがある場合、
簡単に伝播するようになった今のネット時代においては、そこにかけたコストの多くは
簡単に吹き消されてしまうこともままあります。

であるのならば、顧客と企業とが出逢う「人」こそ、最大のメディアであり、
力を注ぐべきであり、企業と顧客のふれあいこそ「ブランディング」なのではないか?ということに
帰結しても全くおかしいことではありません。


ちなみにザッポスでも、ソーシャルメディア、特にTwitterは多く活用されています。
が、それは「顧客といつもつながっていたい」というシンプルそのものな理由によるもの。
これも、コールセンターへの考え方を知れば、とても頷けることだと思います。
また、そこで取り組まれている対話の内容についても。


「いつもつながっている」時代に、顧客が求めているのは、人間の顔をした企業である。
誰でも、人は人から買うのだ。



かなり長文となってしまいましたが、読みながら何度も目や胸が熱くなりました。

ザッポスのような組織を作ることが、容易でないことは重々承知です。
しかしながら、だから自分だってやるんじゃないか、と勇気を与えてくれることも
こうした素晴らしい企業がそこにあるからこそ始まることだと思います。

もしまだ読まれていない方は、是非とも。
もっと早く読むべきだったと思う素晴らしい本です。

「違い」でなく、「極端な違い」を生み出す (”ザグを探せ! “)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Marketing, Strategy | Posted on 23-11-2009

「ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために」 マーティ・ニューマイヤー (著)

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ここで言う「ザグ」とは、ジグザグの「ザグ」から。

ブランディング戦略論において、ここまでシンプルでメッセージ性が強く、
グラフィカルな本はそうないと思います。
その点が、この本の最も優れたところでしょう。

たとえば、「重要なのは「量」でなく「違い」」という項目で言及する、
「ザグ」を目指すメッセージ。



競争を一歩リードするための「差別化」では、もはや第一面を飾れない。
商品やサービスが極度に氾濫する現代においては、差別化だけでは不十分だ。
必要なのは「過激な差別化」なのだ。






みんなが「ジグ」なら、あなたは「ザグ」。

「違い」を生み出せ。

いや、極端な「違い」を。




このメッセージ自体が、時代の空気を十分に反映されていると思います。
「もう中途半端な定量から、プランニングしていたって、ブレイクスルーなんて生まれっこないよね。
でも不況だし、心配だし、なんとなくそれが求められてる気がやっぱりするし。。」
的な、重〜い諦めに似た、今の空気感に。

そのうえで、こうズバっと切っているあたりが素晴らしい。



現代の真の競合相手は、
直接的/間接的な競合商品ではなく、
市場の極度の「氾濫」にある。






「独自の強み(バリュー・プロポジション)」を描くうえでの鉄則は、
いわゆる「ベスト・プラクティス(最良事例)」を忘れる事だ。




そして自分自身へも問いかけていきます。



はっきりとさせなければならないのは、
あなたのビジネスは何か、つまり核となる目的は何かということだ。

核となる目的というのは、
「単なる金儲けを超えた、企業の根本的な存在理由」
のことだ。




これらのメッセージに続いたあとは、
「ザグ」を生み出すためのプロセスが紹介されていきますが、
この本の一番の存在意義は、
「差別化では足らない、過激な差別化を目指せ」という、そのシンプルで強い姿勢表明によって、
読み手に活力を与えていることだと思います。


この本は、熟読するというよりも、折りにふれぱらぱらとめくり、
はっと気づきを得るように活用するのが、正しい使い方な気がします。


最後に、冒頭で引用されている、ドラッガーのメッセージが素晴らしいので、ここでも引用を。
最も重要な機能なのに、最もなおざりにされがちなだけに、自戒を込めて。



ビジネスにはふたつの機能しかない。
それは、マーケティングとイノベーションである。


ー ピーター・ドラッガー


おすすめです。

インド・ムンバイでケータイユーザを獲得した、ある発想転換

Posted by kUtsunomiya | Posted in Marketing, Strategy | Posted on 10-11-2009

新興国へのビジネスモデルの組み立て発想について、面白い話を読んだ。

先進国のケータイのサービスモデルでは、店舗網を作り、
それを拡張しながら、ユーザを獲得し拡大していく。
しかし、それが新興国の場合、
所得が低いけれど、限られた時間だけケータイを利用したい、という
潜在ユーザを取り込んでいくには、その方法で採算を取る事は難しい。

そのために、ここで大きく発想を変える。

インドのムンバイでは、ダバワラという125年の歴史を持つ
「非常に安価な価格で、家庭で作ったお弁当をオフィスに届ける」という
デリバリーサービスがある。
その集荷数は、一日にしてなんと約20万件。
宅配部隊の数は、約5,000人にも及ぶ。

そこに、携帯電話会社は目を付けた。

店舗網を一から作っていくのではなく、
ダバワラと交渉し、その宅配部隊を活用して、ケータイのサービス案内も始めたのである。
店舗網は、約5,000人の宅配部隊。ターゲットは、毎日約20万人出会うことになるダバワラユーザ。
「店舗を作り、来てもらう」のではなく、
「見込みのある人とコンタクトできる異なる手段を見つけ、出向く」発想転換。


それにより、実店舗への投資を削減することで、
潜在ユーザ層に対してであっても、十分採算が取れるように転換し、
顧客を新たに手にした、という話。

「その地域特性上、活用できる最も最適な資源は何か?」という問いからの発想転換。
示唆するものが多いにあると思います。


ちょうど、「”Droga5″ million NY education-desktop」のような、
「子供たちの学業へのモチベーションを上げるには?」という問題に対し、
「携帯電話を無料で与える」という、間接的なソリューション提供のように。



あるいは、オバマ大統領選挙戦フロリダ州での、
高齢者層が持つ、根強いオバマ氏への偏見を説得するために、
「直接のターゲットである高齢者層」へ、ではなく、
「高齢者層に対して、最も影響力が強い層である『孫』」に焦点を変え、
祖父祖母を切り崩していくという「間接的なコミュニケーション戦略」のように。


目に見える、直接的なターゲットだけを相手にするだけでは、
もはや困難な状況の場合の方が多いのが、今だと思います。
それはどんな領域においても、きっと言えること。

いかに、視座が変えられるか、視点をずらせるか。
その「幅」こそが、これから「必要な能力」とされるのだろうと思います。

道は、険しい。。

Via : 「経営思考の「補助線」」御立 尚資

一見、予定不調和。でも予定調和なソリューション (”Droga5″ million NY education-desktop)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Marketing, Strategy | Posted on 20-10-2009

すでに1年以上も前な試みですが、今見ても、素晴らしい施策だと思います。


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「子供たちの学業へのモチベーションを上げること」のお題に対し、
「携帯電話を無料で与える」というソリューションを提供しています。

初期設定の時点で、一台に付き130分の無料通話がついており、
子供たちが学校で良い成績を取ったり、良い行いをした場合に、「特典」としてポイントが加算され、
無料通話時間が加算される、というのがその仕組みです。


そして、時には人気のアーティストからメッセージが届いたり、ウェイクアップコールがもらえたり。
学生ならきっとうれしいだろうと思う仕掛けも秀逸。

またGPSを使い、構内ではスケジュールと計算機機能以外、電話としての機能は
使用できなくなる制限をかけている点やそれにより出席状況を可視化している点も
携帯ならではの機能を活用しており、素晴らしいと思います。


インサイトワークとテクノロジーへの理解から
これまでの解決策とは全く異なる、一見、予定不調和な、
でも実は予定調和なソリューションを提供していく事こそ、
コミュニケーションデザインとして求められる領域なのだろうと改めて思います。

コンセプト × ネーミング が持つドライブする力 (500色の色えんぴつ)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Marketing, Strategy | Posted on 07-09-2009

「宣伝会議」9月1日号の特集内容がとても良かったので、少々整理も含めて。


「朝焼けのアルプス」
「栗毛の少女」
「ファラオ時代のナイル河」

これは、フェリシモのアニバーサリーイヤーを記念して作られた
「500色の色えんぴつ」という色鉛筆の各色につけられたネーミングです。

felissimo1

felissimo2

500色すべてがオリジナルな色。
そして各色にユニークなネーミングが付けられている、という
素敵な着想のプロダクトなのですが、ここで注目したいのは、
「ユニークなコンセプトとネーミングだけが持つ力」という点について。

名を付けることは「命名」。
ネーミングは、人やモノに命を与えることでもあります。

そしてその前にあるのは、「こういうモノや世界であった欲しい」
という想い、つまりはコンセプト。


それが強いものであると、この例のように、名前自身がドライバーを担う。
つまり、無理に力を与えないでも、名前が広げてくれる、ということ。

さらに例を挙げれば、優れたコピーライティングにもそれは言えて。



「父親の席は、花嫁から一番遠くにある」
 ー キャノンPowerShot

「ずるいよ、チョコ食べているときに、そんな話するの」
 ー 明治ミルクチョコレート

「拳骨で読め。乳房で読め。」
 ー 新潮文庫




絵が浮かびますよね。コピーから展開されるべき絵が。

これらの例からここで整理したかった点は、
たった一つの素敵なコンセプトとネーミングが、次に行うべきことを決めていく、
ということ。
これは当たり前な話ではあるのですが、コミュニケーション・デザイン的な
考え方について少々思うこともあって。

単に、接点を最適化し、メッセージを届けるだけでは、人は平気で右から左へと流してしまいます。

人々は、あなたのコンセプトにお金を払うんだよ。


という言葉もあります。

例えば行動ターゲティングは、デリバリーの手段が精緻になったということ以上の
ものではない気がしています。
そのレールに乗っているだけでは、他者との差別化には当然なりえない。

それよりも、今必要なのは、
違いを作る「コンセプト」を考える視座と視点、
「ネーミング」を紡ぐ語彙とセンス、
「コピーライティング」における、ストーリーを開花させる切り口、
これらなのだろうと、やはり思います。

ちなみに、「500色の色えんぴつ」では、「私の好きな色500」という
一冊の書籍化まで展開されています。
これも、例えばターゲットの接点論だけに目を向けていたのでは出てこない発想ですよね。

という意味で、特にコピーライティングの持つ本質的な力に、
もう少し目を配るべきなのだろう、と少々思いました。

もてなしの心を作る仕組み (リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Marketing, Strategy | Posted on 20-08-2009

「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」
高野 登 (著)

ホテル業において、お客様との大きな接点である「人」、つまり従業員に対して、
どのようにそのポスピタリティの精神を育ませ、維持させているのか?
この仕組みづくり(マニュアルではなく)が、エピソードと共に分かりやすくまとめられた本です。

この本は、ブランドマネジメントの本として読むと、
どう自分たちにも活用できるか?のヒントに溢れていることがわかると思います。

たとえば、
「リッツ・カールトンを支える七つの仕事の基本」について。

1. Pride & Joy
誇りと喜びを持てば意欲が沸く

リッツ・カールトンではお客様からの感謝の声を「ファーストクラスカード」と称する紙に書いてもらい、それを後で皆の前で表彰し、評価の対象とする制度があるそうです。
仕事で励みになるのは、お金でも待遇でもなく、誇りと喜び。
それを刺激し、評価する仕組みを用意することが、やる気を作る。

これを最初に掲げている点に、リッツ・カールトンの姿勢が伝わってくる気がします。


2. Don’t think. Feel
考える前に、お客様の温度を感じなさい

自分たちは直感的に、人や店が発するメッセージを温度として感じ取っています。
そして自分たちが発する空気に気を配るのと同時に、お客様の気分やニーズも、その温度から感じ取っていたりします。
それは、Webコミュニケーションにおいて、エントリー一つ、tweet一つ、コメント一つをとっても言えることだと思います。
仕組みやルール以前に、温度のある気持ちがそこに載っているか?
忘れがちですが、こういった言葉ではっとさせられます。


3. Let’s have fun
仕事を楽しめば自分の感性が発揮できる

どんな仕事も、やり方次第で自分の感性やイマジネーションを発揮できる舞台にすることができる。
そして、自分たちが楽しみながら仕事をしていれば、それは温度となってお客様にも伝わってくる。
サービスの神髄は、まさにここだと思います。


4. Celebration
お祝いしたいと思う気持ちがサービスの質を高める

スタッフが普段から祝う習慣を身につけていれば、お客様のちょっとした言動にも反応してお祝いの言葉やサービス表現をすることができる。
「もてなし体質」を作る習慣を、「仕組み」としても用意する。
ここまで来ると、サービス人を育て、作る。そこにどれだけリッツ・カールトンはフォーカスしているか、がよく分かると思います。


5. Chicken Soup for the Soul
優しさは仕事人としての必須条件

リッツ・カールトンの使命は、お客様に幸せな気分を感じていただくこと。
お客様が疲れている、傷ついている時こそ、精一杯のサービスをして温かい気持ちになっていただこう。
「優しい気持ち」「愛する気持ち」が、相手へサービスする時の前提。
ここまで徹底されていると説得力が違います。


6. Passion
情熱は組織を動かす大きなエネルギーになる

パッションは、行動するエネルギー、人を動かすエネルギー、自分の夢に人を巻き込むエネルギー。
このエネルギーがないと、どんなに素晴らしい理念や仕組みも動き出しません。
パッションは少しずつではあるかもしれないが、伝染するもの。それが情熱的なチームを作っていくという、ポジティブな考え方です。


7. Empowerment
お客様の願望をスピード解決

現場の最前線に立つ人間に、権限をゆだねる。
それが、スピードを持って、お客様のニーズを解消する最大の機会になる。
上6つで見てきた事を経過しているスタッフには、そうすることが最も効率的で、自然な試みであることがよく分かります。


後は、新たに迎えるスタッフについての考え方。
ここにも、素敵な仕組みがあります。

新しいスタッフは、初日からいきなりすれ違うスタッフに名前で呼ばれ、声をかけてもられるそうです。
「なぜ、自分の顔と名前を知ってるの?」と思うのですが、
スタッフには「○月○日に、○○さんが入社します。みなさんでウェルカムしましょう」と
数日前から告知してあるそうです。
この辺、提供しているリッツ・カールトンのサービスが、インナーでも同じように行われていることが分かり、とても共感が持てます。


まずは温かく迎え入れることで、不安は安心へと変わり、それはすぐに期待や信頼、そして自信へと変わっていきます。



そして最も、ぐさっと刺さったのが、



企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせること。

従業員の感性を鈍らせてしまうのは、単純作業や地味な仕事ではなく、「ビジョンなき仕事」なのです。


という言葉。

その一見地味な作業は、自分たちのビジョンを達成するためにどう意味があるのか。
この説明義務を自覚し、行っている点です。


大切なのは、頭で考えるプロセスです。
マニュアル化して「ああしなさい、こうしなさい」と教えても、企業のビジョンを浸透させることはできません。
そして毎日欠かさず行うことに意味があります。
たとえ数分でも、自分で考える時間を毎日作る。それがビジョンを自分のものにしていくのです。


最上位に、ビジョンを示したクレドがあり、
それが実現できるための、誇りや喜びを与える日常の仕組みがあり、
そのうえで、プラスαのサービスを提供できるための権限を与える。

一言で書くと、こういったことなのですが、
やはり最終的に落ち着くべきところとは、

ホスピタリティとは、心からのおもてなしをすることです。
つまり、お客様に愛情を示すことです。
その愛情の気持ちを持って接するだけでも、自然に行動に表れて、それが心からのおもてなしにつながっていくのです。


この「愛情」という点に、尽きるのだろうと思います。
自社都合でない、技術や設備へ依存するのでもない。まずは「心」で持ってもてなす。

なんだか引用ばかりになりましたが、
「心でもてなす」
というテーマにおいて、どうその仕組みを作り、日々実践していくか?について
ヒントがあまりに富んでいたので、整理もかねて今日はしてみました。

いつも手に届くところに置いておきたいと思う、良い本です。

顧客満足はスタートラインにすぎない (サービスは「かけ算」!)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Marketing, Strategy | Posted on 13-08-2009

サービスは「かけ算」!
中野 博 (著), 蓬台 浩明 (著)


「自分がしてもらってうれしかったことをお客様にすることが、サービス」
という定義から、
ある中小企業で行われている取り組みをベースに、サービスについてを解説した本です。

背景や因果関係を記載せず、引用文を載せるだけでは、あまり気づきは生まれにくいかもしれませんが、良い内容なので一部整理しつつ引用を。


■サービスの原動力について



自分自身が感動体質を取り戻し、この感動を社員とも共有したい、
お客様とも共有したい、つまり「ともに」という精神を持つことが原動力となるのです。


「どんなサービスをしたらいいのかな?」と悩むのではなく、
今まで受けてきたすばらしいサービスの数々をお客様にするだけです。

「おもてなし」の原点は、まずお客様を好きになることです。
好きになったお客様に自分がどのようなサービスができるか、
どのような話をしたら満足いただけるか、
あるいは結果的に信頼されるか、を常に考え続けていくことです。






■顧客満足はスタートラインにすぎない



本当に進んでいる会社やお店はサービス力を高めて、お客様を感動させています。
あなたが目指すべきレベルはお客様を感動させ、感激させること。
その結果、感謝される会社やお店になるのです。






■クレームの捕らえ方



サービス業では常に人間同士のやり取りですから、日々、クレームが来て当然といえば当然です。
気配りも場面や状況、気分で変わります。
おそらく、同じ人間でもその都度違うことを感じていますから、クレームがないこと自体がありえないと思うのです。

そもそもクレームとは「ニーズのタネ」のことです。
お客様が何かを要求して、あなたにメッセージを出しているのですから。
そのメッセージを集めれば、お客様のニーズがたくさん集まることになります。
サービス内容や対応などの改善方法が見つかるのです。

よく「ニーズに応える」と言いますが、最初のニーズは必ずクレームという形でやってきます。
決して「すみません、あなたのお店でこういうサービスをぜひやってください」というきれいな言い方ではありません。

不満客の多くがクレームという「プレゼント」を置かず、何も言わずに立ち去ってしまうことを覚えておかなければなりません。
黙って立ち去るお客様たちは、次回は他の会社を選ぶことになるでしょう。

やはり愛情表現の一つがクレームですし、ある意味では心と気配りのプレゼントですよね。






■社員力を高めると、サービス力は上がる



まず、社員が誇れる会社でありたい。
ともに働く社員が、友達や家族に自慢できる会社でいたいと思います。

社員自身が心底、自分の仕事に価値を見出し、
仕事を通じて生きがいを感じられることが重要です。






■そして存在の意義を問う、本質な質問について



「この会社がなかったら、世の中は困りますか?それはなぜですか?」

「あなたがいなかったら、会社が困りますか?それはなぜですか?」







例えば、東京ディズニーランドのリピーター率は90%超とも言われています。

「もてなすこと」への徹底。

「サービスとは、お客様を思いやる気持ち、おもてなしの心でするもの」ということ。

人は感情で動く事を考えれば、
この観点はどんな業種・職種にとっても、無関係にはなりえないと思います。

また、この本では、サービス概念の導入対象に、
中小の工務店という、
「モノづくり」&「サービス概念が希薄」な業種へスポットを当て
取り組みを紹介している点がユニークです。

これは、Web業界に当てはめれば、全くひとごとに出来ないものがあると思います。
例えば以下のような文章。




業界の中にいれば、日常であること、完成に向けての一つの過程にすぎないようなこと。

創る過程で、お客様にとって記憶に残る思い出をどれだけおつくりできたか、
その積み重ねが感動を作るのだと思います。





ここは、自分たちももっと目を向ける必要がある気がします。

もっと自分たちがサービス出来ることは、あるんじゃないか?
そんな疑問を持った時、ヒントになる本だと思います。

コンテキストからモノゴトを洞察する (コンテキスト思考)

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Strategy | Posted on 03-08-2009

「コンテキスト思考 論理を超える問題解決の技術」 杉野 幹人 (著), 内藤 純 (著)

「今」目に見えている情報+ロジカルな分析からではなく、
モノゴトの背景、前後関係、文脈を洞察する「コンテキスト思考」が、レッドオーシャンを突破していく。
すなわち、

「関係」ではなく「関係性」
「目標」ではなく「目的」
「価値」ではなく「価値観」


これらにフォーカスをあて、かつ、「教養」「楽観」を身に付けよ、という本です。

ちょうど数日前、「気持ち悪い」という記事がはてぶで多数ブックマーク
されていましたが、情報=コンテンツが膨大となる中で、
「事象を追っている事だけで満足する・その気になってしまう=思考停止となる」
傾向に対する、今後の重要な思考と言えると思います。




私たちは目に見える「コンテンツ」に目を向けすぎるあまり、
「コンテンツ」の背後に潜む「コンテキスト」を洞察しようという
姿勢が欠けてきているのではないだろうか。

モノゴトを理解しようとする際に、ネットで入手した
「コンテンツ」ばかりになっていないだろうか。

多くの企業や人が「コンテンツ」にとらわれて「コンテンツ思考」
に汗をかくのを横目で見ながら、その表面的に見えている
「コンテンツ」の裏側にどのような事実が潜み、
その場面その場面で何を行うべきかを考えて発想し、
意思決定し、行動すること、つまり「コンテキスト思考」を身につけることが、周りの企業や人とは異なる「おもしろい成果」を生み出すための鍵なのである。





つまりは「コンテンツ」ベースの思考法では
コモディティ化からは抜け出し切れないことが言われています。

競合ベンチマーキングにこだわり、
「現在主流だから」、「競合で成果が出ているから」という理由で「それは価値がある」と
判断することが、結局レッドオーシャンを産んでいる、という事です。

これはあらゆるビジネス領域に当てはまる事だと思います。

これを自分なりに置き換えると、

「目標」ではなく「目的」
を、
「手段」ではなく「目的」
に。

「価値」ではなく「価値観」
を、
「価値」ではなく「美学・矜持」
に。
というところでしょうか。


が、本書で提案されているコンテキスト思考の「3Sフレームワーク」は、
正直自分としては漠然としており、あまり腹に落ちなかったところもあったりします。
整理はされているとは思うのですが。。


もう一度、状況が異なる時に読んでみようかと思います。

顧客ターゲットを「選ぶ」理由のたとえ

Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Marketing, Strategy | Posted on 31-07-2009

このたとえは、非常に分かりやすいです。



例えば、路上で営業してみるとしよう。

「三歳以下のお子さんがいらっしゃるお母さんに、お得なお知らせです」
と言ったら、どうなるか?
そのプロフィールに当てはまるお母さんは、
「私のことを言っているんだわ」と思って、振り返るだろう。

一方、「みなさんに、お得なお知らせです」と言ったら、どうだろう?
単なる売込みと思われて、無視される。

どこに違いがあるのかといえば、
前者が「私」のことを言っていると思うのに対して、
後者は「私」は関係ないという感情を持つことである。



つまり、顧客ターゲットを明確に設定しなければ、
顧客と感情的なつながりを持てない。
この会社は、自分にぴったりの会社なんだ、という
コミュニティ意識が持てないわけである。




あわせて、ターゲットをインタビューする際の、極めてシンプルで強力な質問。
これもとても分かりやすい。




「絶対、つきあいたくない客は、どんな客ですか?」

「これまで本当に喜んで、買っていかれたお客さんはいますか?」
「それは誰ですか?どんな方でしたか?」




相手の感情面から引き出していくところに、「質問力」としての強さがあると思います。




「60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法」 神田 昌典 (著)