「超コモディティへのリデザイン」という目線 (Nest “Learning Thermostat”)

エアコンのコントローラ。
それは「当たり前すぎるほど、既に出来上がったモノ」として普段注意が払われる事なく、
その使い勝手にも、デザインにも疑問を持たないような、「超コモディティ」というべき製品であるかと思います。
いえ厳密には、それは「製品」でもなく「付属品」として、自分たちは認識しているモノかもしれません。
故に、使用に問題さえなければ、何の課題もそこに目線が及ぶ事がない、というモノ。
が、そのエアコンのコントローラが実は持っている利便性やデザインへの課題。
さらには、それが持っている新たな可能性。
その着目から生まれたのが、初代「iPod」や「iPhone」の開発チームを率いたTony Fadell氏が新たに創設した企業「Nest」による「Learning Thermostat」という名のプロダクトです。
まずなんと言っても、アップルの精神が強く感じられる、そのシンプルで美しい形状とUI。
そのUIとは、ダイヤルを左右に回すだけ、という極めてシンプルな操作。
そして
室内の温度を下げている時は青色に。
室内を暖めているときは赤色に。
と、使用感そして視覚効果、共に効果的に映える演出がさりげなくも強く施されています。
また、ユーザーが設定した温度をもとに、在宅/外出などの行動スケジュールを学習。
この自動的に暖房および冷房温度を調整する、という「学習するコントローラ」が、このプロダクトの目玉でもあります。
が、最大のポイントは、Wi-Fiにつなぐ事でスマートフォンアプリから、エアコンを制御できるという、広義なインターフェースとしてのリデザイン行為ではないかと思います。
「インターフェースを広くデザインすること」とは、本来このエアコンのコントローラのような、
あまりに身近すぎて問題視されないような、超コモディティなモノにこそ、注目すべきなのでしょう。
人々の生活をデザインによって、シンプルに、美しく改善していく。
これぞデザインが持つ可能性、とでも言うべき、あまりに強いアップル精神を持ったプロダクトと思います。

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