ディズニーランドから学ぶ、プランニングのための5つの視点
インタラクティブを使ったコミュニケーションは、「お化け屋敷」に似ていると思うんです。
これからの広告は、この「遊園地のアトラクションづくり」に似たものになっていくと思うんですよ。
カタルシスのあるさまざまな「体験」を受け手に提供することで、企業やブランドとの「つながり」を深めてもらったり、メッセージを感じてもらったりして・・・。
ー「「伝わる」のルール」伊藤直樹
人を惹き付ける。楽しんでもらう。感動してもらう。記憶に残してもらう。
ディズニーランドは、年間約2500万人が来場、うちリピーター率は90%を超えると言われています。
この事実の下にあるディズニーの考え方/取り組みからは、盗むべき事が多くあると思い、いくつか本を読んでいましたが、ここでは頭の整理がてら、5つの視点でまとめてみました(少々長いです)。
1. アトラクションは機能性でなく、ストーリーと演出で勝負する
たとえば、「TOWER of TERROR」のアトラクション。
これは「フリーホールタイプのアトラクション」と一言で言えないものになっています。
登場人物たちの設定、いわくつきのストーリーへのディテールの緻密さ、
その世界観に合わせた、アトラクション自体の装飾や、案内するキャストによる演出などが、
「物語を体験するアトラクション」という形へと作り上げられています。
単に機能性だけを売りにした、「スリル」だけでの勝負であるならば、
他のテーマパークには、さらに落差の大きいものが沢山あると思います。
そして、機能性だけを半永久的に競い合う、レッドオーシャンの世界へと突入していく事になるでしょう。
機能でなく、真ん中にストーリーを作り、ぶ厚くしていく。
そこでゲストの心を掴むことに注力する。
この考え方は、インタラクティブ系のプランニング時においては特に盗んでいく必要があると思います。
2. 「業界常識」でなく「価値観」を優先する
遊園地・テーマパークには必ずあるのが、絶叫系のアトラクションと観覧車の2つ。
しかしディズニーにはそれが両方ともありません。これはなぜか?

まず絶叫系のアトラクションについて。
ディズニーランドは、そもそも「夢の世界」という価値観が真ん中にあります。
テーマパークだから一定の刺激は必要ですが、基本は「人を楽しませる」ことが全て。
と考えると「必要以上のスリルや怖さは、ディズニーにはふさわしくない」と帰結する事でしょう。
次に観覧車。これも遊園地における定番アトラクションです。
これは一見、ディズニーのコンセプトに合いそうな気がしますが、
「テーマパークは、夢の世界を維持するために、外界とは遮断をする」という
物理的な制約を考えると、採用されない理由が分かると思います。
「夢の世界」の中でゲストに楽しんでもらう。
そのために「現実感」には極力戻さない努力をする、という考え方です。
「この業界なら普通やるでしょ?どこだってやってるわけなんだから」
という考え方に捕われず、真ん中の価値に注目する/そこを判断基準にする。
この徹底さが並みでないところが、ディズニーの世界観の強さ全てを物語っていると思います。
3. 非現実世界へ突入する「グラデーション効果」を使った、気分の高揚づくり
ディズニーランドへ訪れたときの気分の高揚感は、どう作られて行くのか?という、自分が最も面白いと思う仕組みづくりです。

まず駅を出れば、普段の町並みと少しだけ違う、おとぎの国の様な柵があり、ディズニーの音楽が流れる中、パークに向かう道のあちこちにディズニーらしい演出が覗かせています。
そして、チケットブースに近づけばだんだん音楽が大きくなり、わくわくが増して行く。
入場ゲートをくぐりパークの中に入れば、興奮はかなり高まっている状態と思います。
そして「ワールドバザール」の中へ入りくぐり抜けて行きます。
ディズニーランドの「グラデーション効果」のポイントは、この「ワールドバザール」の存在です。
このワールドバザールは、視覚的に広く/長く見える構造になっています。
この「閉鎖された空間」の中を、ミッキーの風船をもったキャストたちがいる中を通り抜け、期待感が高めながら抜けたときに、一気に視界へディズニーワールドの世界が飛び込んでくる。
それこそ、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という描写のように。
期待がここで最高潮に達する。後ろを振り向く人はほぼいないでしょう。
入場ゲートだけを世界の分岐点にせず、さらに徐々に気分を作りながら、最高潮の状態でメインの場と出逢う。
人がどういう時に気持ち良くなるか?記憶に刻まれるか?
この気分のグラデーション効果の作り方は、ディズニーランドの分析とこだわりが象徴的に表われているものだと思います。
4. 1度にすべてを分からせない。連続性を意図的に作る

ディズニーランドは、一回の来園で全て回りきれるものではありません。
それがいつかまた行こうというよう風に、気分が作られていること、
そして合わせて、新たなアトラクションができたり、リニューアルされたり、
パレードなどのイベントが次々企画されたりと、
「いつ行っても前回とは違う表情を見せてくれる」という形になっている。
ここには、1度行けば全てが分かってしまう、という体験の提供の在り方でなく、
「体験の連続性」を意図的に作ることで、リピートを生み出す仕組みがあります。
また細かなギミックとして、パーク内の「隠れミッキー」の存在といった、
訪れるにあたって、違った類いの楽しさ体験を提供している点もユニークです。
1度で分かる体験でなく、連続的に体験を積み重ねられているように最適化している、という点は
確実にリピーターの高さへの一つに寄与していると思います。
4. 身近に残る「お土産」で、定期的に思い出させる

ディズニーで売られているグッズは、基本ここでしか買えないものになっているという点。
そして、長く身近に楽しめることを念頭に置いた、程よいクオリティのものにしているという点。
この2つは、ディズニー体験の「思い出の貴重性」と「思い出の身近さ」を作るという意味で、見逃し勝ちですが重要だと思います。
例えば「器は小物入れとして長く使うことができる」という点。
これがもし、どこででも手に入るディズニーグッズなら、そういった使い方にはならないでしょう。
オリジナルグッズだからこそ、ディズニーランドの思い出を残すものとなり、
高価すぎず、適度なクオリティを持ったグッズだから、身近さに使ってもらえるものになっている。
そして、見る度に思い出す、そしてまた行こうというきっかけ作りへ寄与しているのだと思います。
長くなりましたが、ディズニーランドから学べる/盗める事は、他にも沢山あると思います。
知れば知るほど、奥深く面白いですね。
Via : ディズニー7つの法則—奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念
Via : ディズニーが教える お客様を感動させる最高の方法
Via : ディズニー的思考法
No comments
Jump to comment form | comments rss [?] | trackback uri [?]