誰にクチコミして欲しいのか? (ウェブはバカと暇人のもの)
「ウェブはバカと暇人のもの」 中川淳一郎
「ネット上で、クチコミが広がるようなプランを」
というリクエストを、クライアントさんだったり、営業さんだったりから
寄せられることは、今だ多くあります。
そういった願望に対して、「実際はそんなものではクチコミなどしないぜ」、
「というより、バカや暇人に受け入れられるようなネタが提供できないなら、
ネットでウケることなんて出来やしないんだぜ」と、ネット上のクチコミ事情から
ばっさりと切り取った秀逸な本です。
また、ネット上で寄せられる意見に過剰に反応しすぎることについても、
「バカの意見は無視してOK」
「自分が正しいと思う信念があるのであれば、それを貫くことが大事」
とする意見は、
ぬるま湯じみた日本のヒューマニズムと、美意識を欠いたノイズに迎合しないスタンスとして、
非常に納得の行く意見です。
前エントリーで挙げた、ココ・シャネルも同様な事をきっと言うことでしょう。
「ネットで、本物のブランドなど創れはしないわ」と。
私も「ネットでのみ」それが実現できるなど、それを生業としていながら、
全く思っていなかったりします。
ストーリーが存在せず、代わりに表層だけ綺麗・または流行に沿ったサイトを一生懸命
創ったとしても、ただ「おっ」とその時少し思う程度で、なんら心には響かないでしょう。
当然、それが消費行動に結びつくわけもありません。
クチコミも同様。
当たり障りのないテーマを設定し、投稿のプラットフォームを用意したとて、
正直集まる意見の数も質も、たかがしれていたりします。
秀逸なのが、クチコミが発生するための条件として挙げている、以下9つの鋭さ。
1. 話題にしたい部分があるもの、突っ込みどころがあるもの
2. 身近であるもの(含む、B級感があるもの)
3. 非常に意見が鋭いもの
4. テレビで一度紹介されているもの、テレビで人気があるもの、ヤフートピックスが選ぶもの
5. モラルを問うもの
6. 芸能人関係のもの
7. エロ
8. 美人
9. 時事性があるもの
確かに、若干悲観的・自虐的すぎるきらいはあり、ポジティブな面への視点は
欠いている箇所も多いですが、
「誰にクチコミして欲しいのか?」が不明確な場合における
議論のタタキとしては、非常に有意義な本だと思います。

Add your comment