Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Inspiration | Posted on 29-08-2009
「広告は私たちに微笑みかける死体」オリビエーロ トスカーニ
1997年、今から12年前の本ですが、彼の広告同様かなりパンクな本です。




Via : UNITED COLORS OF BENETTON.
これらの広告を見た時、多くの「常識的な」広告人たちの頭に浮かぶのは、
不快感、怒り、嫌悪。それから排除のような感情だと思います。
その理由は、「不幸」や「タブー」を売り物にして、「広告のルール」
を排した「売名行為」に見える、というのが主な理由かな、と思います。
もし、これが新聞や雑誌に掲載されたものならば、きっと見逃されたことでしょう。
が、それが「広告」を手段にするとなったとたんに、
広告に対する固定概念が強ければ強い人ほど、嫌悪感はきっと強くなると思います。
この本、それからトスカーニの広告表現が問うているのは、
私たちのまわりには解決出来ない問題や疑問が山積みだというのに、どうしてアパレル広告は、美しさと憂いのない気楽さだけを題材にしなければならないのだろうか?
という疑問。それから、
決して忘れないでもらいたい。広告が、消費者にとっての最初の間接税だということを。
という認識と、
ベネトンのメッセージ、それは討論すること。
という社会への投げかけです。
それが、最も夢見がちなアパレルの世界に対して、最もシリアスな現状を提示してみせる、
という手法に至っている背景かと思います。
すっごくパンクですよね。
彼がリスペクトするデザイナーに、ヴィヴィアン・ウエストウッドの名を挙げている
理由もよく分かります。
この接触を得ると、「広告とは、モノを広め売ること」という固定概念に対して、
いま一度「広告ってなんだろう?」と思わず考えさせられてしまいます。
もちろん、それが彼の意図なのでしょう。
そして、「ジャンルを超えよ。社会参加を果たせ」という事がメッセージなのだろうと思います。
この本は、今の自分がどれだけ広告に対し、固定概念にとらわれているかを知る、
試金石になる本だと思いました。
彼の広告と、本を読んで、どんな反応を人は示すのか?
それを見るのは、結構面白いと思います。
最後に、彼の考え方を示す、面白いメッセージがあるので、それを一部引用を。
人類史上、もっとも偉大な広告キャンペーンは、イエス・キリストのものである。
そのキャンペーンは、「互いに愛し合いなさい」という普遍的なスローガンを世に送り出した。
それから、十字架という立派なロゴも。
しかし、イエスの広告クリップには広告が嫌悪する<すべて>がある。
キリスト伝説は世の中の苦しみや暴力を何も隠しはしない。
「なぜ、エイズ撲滅キャンペーンで、勃起したペニスに一度もお目にかからないのか」
Posted by kUtsunomiya | Posted in Marketing, Social Media | Posted on 28-08-2009
コミュニケーション手段の進化が、どうメディアや社会に変革をもたらすか。
のテーマについて、素晴らしく分かりやすい講演です。
(「View subtitle」から”Japanese”を選択すると日本語字幕付きで見られます)
最も情報がコントロールされやすい政治領域の変化を例に取り、
Twitterなどのツールが、どう抑圧的な政治体制下にある国民にとって、
検閲をかいくぐり、本当のニュースを素早く伝える手段となっているかを伝えている点に、ソーシャルメディアがもたらす変化の話を分かりやすくさせる工夫があります。
以下は、講演内容の翻訳サイトからの引用。
本当にクレージーな変化はこれです。
人々はもはや互いに分離されてはいないということです。
元消費者が、新たな生産者になっています。
観客が互いに直接話すことができるのです。
プロよりもアマチュアの数の方がずっと多く、ネットワークの規模は、ネットワークの複雑さというのは、参加者数の2乗に比例し、ネットワークが大きくなるときには桁外れに大きくなるのです。
ほんの十年前まで、消費されるメディアのほとんどはプロによるものでした。
そのような時代は終わり、もはや戻ることはありません。
myBO.com の役割を理解していたのです。
支持者を集めることであって、支持者をコントロールすることではないのだと。
このような振る舞いこそ、このメディアを真に使いこなすために必要なものなのです。
私たちの知っていたメディアの状況、あのお馴染みの、概念的には単純な、プロがアマチュアにメッセージを放送するというやり方は、静かに消えつつあります。
ソーシャルメディアがもらたす変化について話す機会があるときには、
この講演内容を中心に、政治を例にとって話すと分かりやすいなと思いました。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration | Posted on 28-08-2009
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, iPhone | Posted on 27-08-2009
実用性には欠けるのですが、このiPhoneアプリの発想、大変面白いです。
PocketMeter
「iPhoneのスピーカーから音波を発して、音が対象とする物に跳ね返ってくるまでの時間から距離を測定する」という、「メジャー」のアプリです。
iPhoneが、マイクとスピーカーとが同じ方向を向いている事に着目した発想なのでしょう。
この「音」で距離を図る、という発想。凄いと思います。
ソフトウェアの制約ではなく、ハードウェアの制約に目を付けている点が、特にユニーク。
しかしこの発想の柔らかさは、脱帽。素晴らしいです。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, iPhone | Posted on 27-08-2009
QLOCKTWO by BIEGERT & FUNK PRODUCT
シンプリティの美学に溢れた、美しい時計。

針や数字でなく、「時間を表すスペルを点灯させる」ことで時を表す時計、というアイデア。
素晴らしい発想です。
iPhoneアプリ版もリリースされていますが、これがまた非常にクール。
tenorionに似た、機能とシンプリティが掛け算された、デジタルならではの美しさがあります。
英語、ドイツ語、オランダ語、イタリア語、スペイン語、フランス語と言語が用意されているのもかっこいいですね。
シンプルなアイデアとデザインだけが持つ、美しさが表されたプロダクトです。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Wording | Posted on 22-08-2009
ここ2週間前ほどからいきなり嵌りだした(遅い。。)バガボンド。
最新刊「バガボンド 30巻」、吉岡一門七十人斬り後の、武蔵と板倉勝重との会話に、どきっとしたので少々引用を。

わしも剣は、人並み以上に修めてきたが
いや、だからか
「強さ」において、わしの知らぬ境地にいるおぬしに対する
引け目
引け目
それ自体は、心に生じた小さな波にすぎぬ
不安の方へ振れれば、心は閉じる
見まいとして、固く閉じた心の中では
不安はやすやすと恐怖にかわり、敵意へと育つ
その逆もまた厄介だ
崇拝する
同化したがる
寄りかかって執着のできあがり、目も心も開いているようで
閉じているのと同じ
別れ道は、いつも心のうちにあるわな
真ん中がいちばんいい
この「引け目」の感覚、すごく胸が痛いものがあります。
自分なんて全然大したことないし、と思い続けたり、口にしたりをすると、
相手へ、恐怖や敵意が、または無条件な崇拝や萎縮が育ってしまう。
これは今の自分に、とても当てはまることです。
smashmedia河野武さんの
「憧れは、理解から最も遠い感情だよ」のエントリーでも類することが、
異なる漫画で引用され、「萎縮やあこがれは捨て去った方が良い」と
言われていた事にぐっときたのですが、
「真ん中がいちばんいい」
この言葉は、すっと腹に落ちました。
「真ん中に、真ん中に」
これは、自分のような、つい卑下する癖がついたタイプの人にとっては、常日頃から意識する習慣をつける必要があることでしょう。
漫画は、極めてシンプルな手法で、自分の心に問いかけや気づきや感動を与える、
高度にインタラクティブな媒体。
インタラクティブは、双方向とよく解釈されますが、
単にWEB上で対話できる、などの「仕組み」だけの考え方よりも、
「そのコンテンツは、どれだけその人の体内で反響されたか?」の視点から
まず考える事が、伝えたいメッセージを強くするには必要とされると思います。
だって、まずは「投げかけ」があっての、双方向なのだから。
バガボンドには、本質を削り取った台詞のシンプルさの中に、
読んだ人の体内で反響させ、増幅させるインタラクティブの力をとても感じます。
ともあれ、バガボンドは凄い漫画ですということで。
31巻は秋か。。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration | Posted on 20-08-2009
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, Social Media | Posted on 20-08-2009
これは気づかなかった!素晴らしいサービスです。
2つのYoutubeウィンドウを制御して、DJプレイが楽しめるサイトです。
TWO YOUTUBE VIDEOS AND A MOTHERFUCKING CROSSFADER.COM

これ以上の説明は必要のない、シンプルなアイデア。
いやはやヤラレました。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Book, Marketing, Strategy | Posted on 20-08-2009
「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」
高野 登 (著)
ホテル業において、お客様との大きな接点である「人」、つまり従業員に対して、
どのようにそのポスピタリティの精神を育ませ、維持させているのか?
この仕組みづくり(マニュアルではなく)が、エピソードと共に分かりやすくまとめられた本です。
この本は、ブランドマネジメントの本として読むと、
どう自分たちにも活用できるか?のヒントに溢れていることがわかると思います。
たとえば、
「リッツ・カールトンを支える七つの仕事の基本」について。
1. Pride & Joy
誇りと喜びを持てば意欲が沸く
リッツ・カールトンではお客様からの感謝の声を「ファーストクラスカード」と称する紙に書いてもらい、それを後で皆の前で表彰し、評価の対象とする制度があるそうです。
仕事で励みになるのは、お金でも待遇でもなく、誇りと喜び。
それを刺激し、評価する仕組みを用意することが、やる気を作る。
これを最初に掲げている点に、リッツ・カールトンの姿勢が伝わってくる気がします。
2. Don’t think. Feel
考える前に、お客様の温度を感じなさい
自分たちは直感的に、人や店が発するメッセージを温度として感じ取っています。
そして自分たちが発する空気に気を配るのと同時に、お客様の気分やニーズも、その温度から感じ取っていたりします。
それは、Webコミュニケーションにおいて、エントリー一つ、tweet一つ、コメント一つをとっても言えることだと思います。
仕組みやルール以前に、温度のある気持ちがそこに載っているか?
忘れがちですが、こういった言葉ではっとさせられます。
3. Let’s have fun
仕事を楽しめば自分の感性が発揮できる
どんな仕事も、やり方次第で自分の感性やイマジネーションを発揮できる舞台にすることができる。
そして、自分たちが楽しみながら仕事をしていれば、それは温度となってお客様にも伝わってくる。
サービスの神髄は、まさにここだと思います。
4. Celebration
お祝いしたいと思う気持ちがサービスの質を高める
スタッフが普段から祝う習慣を身につけていれば、お客様のちょっとした言動にも反応してお祝いの言葉やサービス表現をすることができる。
「もてなし体質」を作る習慣を、「仕組み」としても用意する。
ここまで来ると、サービス人を育て、作る。そこにどれだけリッツ・カールトンはフォーカスしているか、がよく分かると思います。
5. Chicken Soup for the Soul
優しさは仕事人としての必須条件
リッツ・カールトンの使命は、お客様に幸せな気分を感じていただくこと。
お客様が疲れている、傷ついている時こそ、精一杯のサービスをして温かい気持ちになっていただこう。
「優しい気持ち」「愛する気持ち」が、相手へサービスする時の前提。
ここまで徹底されていると説得力が違います。
6. Passion
情熱は組織を動かす大きなエネルギーになる
パッションは、行動するエネルギー、人を動かすエネルギー、自分の夢に人を巻き込むエネルギー。
このエネルギーがないと、どんなに素晴らしい理念や仕組みも動き出しません。
パッションは少しずつではあるかもしれないが、伝染するもの。それが情熱的なチームを作っていくという、ポジティブな考え方です。
7. Empowerment
お客様の願望をスピード解決
現場の最前線に立つ人間に、権限をゆだねる。
それが、スピードを持って、お客様のニーズを解消する最大の機会になる。
上6つで見てきた事を経過しているスタッフには、そうすることが最も効率的で、自然な試みであることがよく分かります。
後は、新たに迎えるスタッフについての考え方。
ここにも、素敵な仕組みがあります。
新しいスタッフは、初日からいきなりすれ違うスタッフに名前で呼ばれ、声をかけてもられるそうです。
「なぜ、自分の顔と名前を知ってるの?」と思うのですが、
スタッフには「○月○日に、○○さんが入社します。みなさんでウェルカムしましょう」と
数日前から告知してあるそうです。
この辺、提供しているリッツ・カールトンのサービスが、インナーでも同じように行われていることが分かり、とても共感が持てます。
まずは温かく迎え入れることで、不安は安心へと変わり、それはすぐに期待や信頼、そして自信へと変わっていきます。
そして最も、ぐさっと刺さったのが、
企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせること。
従業員の感性を鈍らせてしまうのは、単純作業や地味な仕事ではなく、「ビジョンなき仕事」なのです。
という言葉。
その一見地味な作業は、自分たちのビジョンを達成するためにどう意味があるのか。
この説明義務を自覚し、行っている点です。
大切なのは、頭で考えるプロセスです。
マニュアル化して「ああしなさい、こうしなさい」と教えても、企業のビジョンを浸透させることはできません。
そして毎日欠かさず行うことに意味があります。
たとえ数分でも、自分で考える時間を毎日作る。それがビジョンを自分のものにしていくのです。
最上位に、ビジョンを示したクレドがあり、
それが実現できるための、誇りや喜びを与える日常の仕組みがあり、
そのうえで、プラスαのサービスを提供できるための権限を与える。
一言で書くと、こういったことなのですが、
やはり最終的に落ち着くべきところとは、
ホスピタリティとは、心からのおもてなしをすることです。
つまり、お客様に愛情を示すことです。
その愛情の気持ちを持って接するだけでも、自然に行動に表れて、それが心からのおもてなしにつながっていくのです。
この「愛情」という点に、尽きるのだろうと思います。
自社都合でない、技術や設備へ依存するのでもない。まずは「心」で持ってもてなす。
なんだか引用ばかりになりましたが、
「心でもてなす」
というテーマにおいて、どうその仕組みを作り、日々実践していくか?について
ヒントがあまりに富んでいたので、整理もかねて今日はしてみました。
いつも手に届くところに置いておきたいと思う、良い本です。
Posted by kUtsunomiya | Posted in Inspiration, PV | Posted on 20-08-2009